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「愛知県立美術大学創立40周年記念誌」 |
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音楽家の奥様と |
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大学で、日本画を専攻していた木村さんは、卒業後、絵描きを目指していたそうですが、卒業してから大学の研究室が手がける古典絵画の模写事業に携わった事、先人の高い技術や表現力、絵の具の奥深さに興味を持ち、「模写」の世界へ進んだそう。
「模写」は描かれた時代と同じ技法を用い、岩を砕いて出来た絵の具、顔料を「にかわ」という接着剤で溶いて、糊代わりにします。それを絹や紙、又は木に塗るそうです。模写で体験したその仕事が今の「仏像の彩色」とても活かされているそうです。
最初の仕事は、法隆寺。 焼失した法隆寺 金堂内の壁画の写真が残っていて
その写真を元に模写が始まったのですが、その仕事はちょうど終わったところで、木村さんは参画できなかったそうです。しかし、その後、引き続き法隆寺の飛天(天女が飛んでいる)の模写の仕事が継続し、木村さんも参画したそう。 そのほか、西大寺の十二天像などを手がけ、神護寺所蔵の釈迦如来像では截金(きりがね)や独特の赤色を再現するのに苦心し、特に印象深い思い出があるそうです。
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