|
つかの間 | 一枚の枯葉が枝から離れ静かに眠りにつく。そんなつかの間の光景に数えきれないほどの過去の記憶が重なってゆく。 |
|
|
|
愛をとどけて | 妖精たちの話し声が聞こえてきそうなメルヘンチックな月の夜。 |
|
|
|
私の描く絵は淡い色で表現することが多いのですが、この色のほとんどはある貴重な体験によるものです。 現在信州に住んでいますが、その体験をしたのは信州に初めて住んでから約半年間のことでした。この間のことはあまりにも印象深く驚きと幸福に満ちたものでした。住んだところは水道も街灯もなく、灯りを消せば真っ暗になってしまうような山奥のとある公園の管理棟でした。建物の中には必要最低限のトイレや天井もありませんでした。トイレは公園内にあり大雪のときでも2〜30m離れたところまで歩いて行かなければなりません。天井は針金を張りそこに近くの布団屋さんから頂いた大きなダンボールをのせて作り、何とか寒さをしのいでいました。それでも床にこぼした水はすぐに凍り、翌日の午前中いっぱいは解けずに残っている程でした。このようにたいへん厳しくもありミニサバイバルのような体験をしていたのですが、毎日の生活はすごく楽しく充実していました。飲み水は山肌からにじみ出てくるわずかな涌き水を貯水槽に集め、そのおいしさは格別で毎日、最高のコーヒーと日本茶を楽しませていただきました。山の恵みに心より感謝です。今改めて思い返せばたいへん貴重な経験をしたなあと懐かしくもあります。
|