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(上)「家で森林浴できるなんて、ねえ。最高じゃないですか」 といたずらっぽく笑う神田さん。 (下)これも変わり駒。左側は、将棋名人たちの似顔絵です。
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駒を作る上で欠かせない、素材を五角形に整える作業。神田さんは初めの頃、ノミとカンナを手に、根性だけで木から削りだしていました。角度や左右のバランスが崩れないように、紙やすりで20分もかけて削っていたと言います。当時は1枚1枚苦労して削っていたと、奥様も語ってくれました。 神田さんはもっと上手いこと削れないものかと、壁にぶつかるたび、建築関係の知り合いに相談をしていったそうです。 今では様々な電動工具を使用して、時間が掛っていた削りだしも3分ほどで仕上がってしまいます。出来栄えも、手作業の時より飛躍的に上がりました。 “電動工具だと木の粉が舞い上がり、家に居ながら森林浴が楽しめますよ”と笑いながら話す神田さん。しかし、奥様としては「一言物申す!」といったご様子です。
「夫が作業を始めると、部屋の中が真っ白になってしまうの。それこそ木の材質が赤いと、部屋も赤くなるくらい。木の粉はベビーパウダーのように細か過ぎるから、掃除機のフィルターも役に立たなくてねぇ。家中が粉だらけですよ」 苦笑いの神田さんを非難しつつも、楽しそうに語る奥様。 神田さんの駒作りには、奥様の協力も欠かせないもののようです。
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