5日目は、民話のふる里といわれる「遠野のまち」めぐりです。
一本桜、SLホテル、そしてチーズケーキと、我々をいろいろと楽しませてくれた小岩井を名残惜しくも出発し、盛岡ICから釜石自動車道を走ること小一時間で、柳田国男が愛したふる里、遠野に到着します。
遠野は、盛岡藩の要衝の地で、遠野南部氏1万2千石の城下町で発展してきました。
(上)カッパ淵。今にもぬっと出てきそうな雰囲気。 (下)我々が会った夫婦のカッパ。右が奥様のようです。 |
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霊峰・早池峰山のふところに抱かれた遠野の路傍には、いたるところに古碑があり、山神信仰が今なお残ることを教えてくれます。
自然の中に人々がとけこみながら暮らしている様は、まさに里山と呼ぶにふさわしい人口3万人程度の素朴で味わい深い小さな郷です。
遠野を一躍有名にしたのはもちろん、かの柳田翁の「遠野物語」です。地元の語り部に伝承されてきた民話を編纂した「遠野物語」には、天狗、座敷わらしといった日本古来の妖怪や、神隠し、迷い家といった民話特有のテーマがふんだんにちりばめられています。
なかでも遠野を代表するキャラクターと言えば「カッパ」。昔、常堅寺の裏を流れる小川の淵にはカッパが多く住んでいて、人々を驚かし、たわいもないいたずらをしたといわれています。
我々もカッパを訪ねてかの淵にでかけ、その出会いを期待したのですが、残念ながら会えず。しかし、カッパ伝説の舞台がごとく、うっそうとした茂みに覆われた淵の周辺は深玄な雰囲気に満ちており、ふとそこいらの木陰から我々を覗いているのではあるまいかと空想にふけるひと時を過ごしたのでありました。
帰りに、淵のそばにたたずむカッパを発見。どうやらつがいのカッパのようで、片方のカッパは胸にしっかりと子供を抱いていました。 |